2009年07月03日
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目黒区 八雲中央図書館・東京都立中央図書館

Written By: 川俣 晶連絡先

 6月はずいぶん自分の時間を犠牲にしたので、埋め合わせとして7月に入ったらすぐ行こうと思ったものの、体力切れのダウンで行動不能になってました。今日になってやっと行ってきました。目黒区 八雲中央図書館東京都立中央図書館です。目当ては住宅地図関係です。

なぜこの2つ? §

 最近、いくつかの理由から目黒区が気になっています。それと杉並区の住宅地図を見た結果が大ヒットだったことが相まって、目黒区の住宅地図を見たいという気持ちが沸き上がっていました。

 もう1つ、検索の結果、目黒区 八雲中央図書館には以下の3つがあることも判明。

 これに加えて東京都立中央図書館にある以下を見れば、年代の変遷と住宅地図内容の変化を把握できるのではないか、という期待も生まれていました。

 つまり、目的は以下の3つです。

  • 目黒区の地図が見たい
  • 年代ごとの住宅地図の変遷が見たい
  • 杉並区と他区の状況の違いを見たい

 ちなみに、八雲中央図書館は東横線の都立大学駅にあり、直通の日比谷線に入ってすぐの広尾が都立中央図書館の最寄り駅です。つまり、連続して訪問しやすいロケーションでもあるのです。

結果 §

 「目黒区全住宅案内地図帳 昭和41年」は開架にあってすぐ見られました。「目黒区全住宅案内地図帳 昭和33年」はカウンターで申し込んで閲覧させてもらいました。「昭和41年」の段階で既に期待するものは消えているので、「目黒区全住宅案内地図帳 昭和47年」は閲覧せず。「目黒区全区 / 公共施設地図航空株式会社∥編 / 公共施設地図航空 , 1970 ( 全住宅案内地図帳 )」はマイクロフィルムでしたが、基本的に「昭和41年」と同様なので、それを確認しただけで細かくは見ないで返却しました。

 「昭和41年」は杉並区の「昭和44年」とほぼ同様。しかし、市街地化が杉並区以上に進行しており、水路のたぐいはほとんど残っていないようでした。「昭和33年」は都立中央図書館で見た年代不詳の古い杉並区の住宅地図と同様であり、おそらく空撮ベースになる前です。

 簡単にまとめると、以下のようになります。

  • 住宅地図は昭和30年代の終わり頃に空撮ベースに変った
  • 空撮ベースになる以前は正確な縮尺地図ではなく、個々の家の名前を確認する以外の用途にはあまり有用ではない。水路や道路の記載も詳細とは言えない
  • 空撮ベースになった時点で、市街地化がかなり進行していた地域(目黒区)では、細かい用水などは既に残存しておらず、住宅地図を経由して知るチャンスがかなり失われた
  • その点で、市街地化が遅れていてまだ水路が残っていた杉並区は幸運といえる
  • (通常、江戸や東京十五区の範囲に含まれる地域、またそれと隣接する地域と比較して、そこから外れる杉並に関する歴史資料は少なめになるのが普通だが、このケースに限ってはそれが逆転している可能性がある)

その他の成果 §

 都立中央図書館では以下も閲覧。

 これらは既に閲覧経験がありますが、それほど時間を掛けて見てはいないので、かなり発見があります。

 それらはおいおい書いていくとして。

 1つだけ大失敗。

 マイクロフィルムの複写を頼むとき、2つのページを左右に書き込んでその間の全ページの複写以来になるとうっかり思い込んでいたら、そうではなかった!

 やけに安いと思ったら、最初の最後のページしか無かった! 帰ってから気付いてじぶんのうかつさにショック!

 ちなみに、なぜチェックを怠ったのかというと、実は帝都地形図で下高井戸吉田園等に関する説明の文章があることに気付いて慌ててそのページのコピーをもらいに行ったからでした。ちなみに、このページを書いたのは寺田史朗さん! これは「しまった!」と思いましたね。杉並区の郷土博物館に行って寺田さんに聞けば、吉田園のことはすぐ分かったのですよ!

その他 §

 都立大学駅に降り立つと目の前に駒沢線24号鉄塔。とことん、鉄塔の神様に愛されていると思いました。

 駅から歩き出すと、いかにも水路跡っぽい道と交差しました。近くには呑川の緑道もあってそこにつながっているようです。時間と体力の関係からそこまでは行きませんでしたが、気になる存在です。

 帰りに、有栖川宮記念公園では水源を見ました。武蔵野台地の断崖の途中から水が出てくるのは、典型的な武蔵野台の湧水のパターン? こういう湧水はあちこちにあった?

有栖川宮記念公園の湧水